綿向生産森林組合
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第58回通常総代会 組合長挨拶(開会)      2006年5月21日


組合長 三田英男
組合長 三田英男
  日野町のシンボルの山、綿向山も山麓一帯の若葉が一段と薫る季節になりました。総代の皆様方には、何かと御多用の中、第58回通常総代会に御出席いただき有難うございます。本日は、日頃から組合運営に格段の御協力を頂いておりますご来賓の方々の御臨席を頂いております。日野町長様を始め、東近江地域振興局森林整備課長様、日野町森林組合様、日野町役場農林課様。公私何かと御多用の中当組合の、
通常総代会にご臨席賜りまことにありがとうございます。日頃は、当組合の林業事業の運営には、格段の御指導、ご支援いただき、高席からではございますが、厚く御礼申し上げます。

総代の皆様方には、昨年6月に就任されて第10期総代として初めての通常総代会であります。提案案件につきまして建設的なご審議をお願い申し上げます。この1年、総代の皆様には、担当区域の組合員の移動など色々とお世話なり有難うございました。今後とも宜しくお願いたします。

 さて、昨年6月、第10期総代に就任いただき総代会議を開催致しましたが、この時点で、第九期の総代さん方に説明いたしておりました事務所建設問題の経過をを報告をいたしました。第九期の総代さんには、理事会の考え方を提示し、説明してまいりましたが、皆様から色々と御意見を頂いてまいりました。第10期の総代構成は、3分の2が新規の総代さんで、平均年齢も50代になり、三十代,四十代の若いメンバーが多数増えました。また、建築設計や建築施工などの関係の方もおられます。

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  このように綿向生森も組合員の年齢構成も職業構成も組合発足して42年を経過しますと相当大きく様変わしている状況等をを鑑み、組合の将来を定める事務所建設の問題については、これらの新しい総代さん方を中心に、時間をかけて取り組み、順次解決するのが適切と判断し、全てを原点にかえり、組合の将来を見据えて検討することの確認をいたしました。

第九期の総代さんには、大変御心労をおかけいたしましたことに心からお詫び申し上げますとともに、今後は第10期総代会の中での取り組みに期待いたします。色々の論議の中でも、急がずにじっくりと考えてからでもと一定の期間をおくべきとの御忠告もございましたので、厳しい林業情勢の中での取り組みですので、真摯に受け止めて、対処させていただきました。

 刻々と変わる社会情勢の中で、将来の林業をもう一度考え、協働から成り立っている生産森林組合としての歩む道の中で取り組んでまいるべきと考えます。木材市場は、平成に入り17年を経過をいたしましたが、最低の需要と最悪の価格であります。杉1立米価格が平成七年に1人作業賃金が平成十七年には2立米売らなくてはなりません。

 このような状況から第2点目として当然、組合の当初計画していました立木販売も、販売を躊躇しなくてはならない情況で、販売価格もは過去最低の結果となりました。この原因は、国内材が売れない。しかし、外国材は結構需要があり、建築環境が、在来工法のみの木造住宅の減少であります。木造住宅の建築状況は、年間54万戸、滋賀県では7300戸、日野町では、130棟の210戸、ここ10年間の大きな変動はありません。
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 しかし、住宅思考の変化で、在来住宅工法が極端に落ち込み、スギやヒノキの特徴を活かす和室構造が洋室に変わり、国産材に拘らなくなったのが、大きな要因であります。日野町の中心部の区画整理された新住宅地にも、新しい住宅や、アパートが建築されている実情からも御承知の通りであります。

今後は、今日まで続けてきた立木販売は、注文販売に切り替え、特殊材として安定価格を維持してきている大径木の生産目標におき、皆伐でなく、択伐を中心とする育林体制を築く重要な時期であります。木の売れない生産森林組合の運営は、正に末期的症状で、全国的にも解散寸前の組織もありますが、幸い当組合は林業以外の収益で何とか運営が成り立ってはおります。しかし、これに甘んじているのではなく、体質改善がどうしても必要であります。

 いま水源涵養、治山、治水など国土保全とあわせ、地球温暖化防止に森林の重要性が叫ばれ、林野庁を中心に、全国の森林整備に重点的な施策が展開され、環境林業として、21世紀の森林行政が取り組まれております。

当組合も、補助事業などの指導を受け、積極的に取り組み、森林整備の成果を日々つんできております。今期、3月末の収支決算状況は、報告書の通り、前年度とほぼ同様の黒字決算となりました。経費節減は当然ですが、事業外収入の貸し地料と補助金などの雑収入が大きく寄与致しました。

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今後は、木を大きく育て、大径木の販売できる生産森林組合としての、ブランド性を育てられるか、どうかが問われる時代に入って参りました。それに応えられる組合運営が可能か、応えられない組合か、選別される時代が現実の問題となって参りました。

 第三点目ですが、我が綿向生産森林組合も、貴重な歴史と伝統を持っておりますが、現実の運営では、それだけでは生きて行けません。時代に即応した、林業経営と、森林整備を積極的に取り組み、合わせて森林環境の保全と開かれた綿向の山林が持続できる運営ので出来る生産森林組合を維持していかなくてはなりません。

このような状況から、その第一に組合員の組合への関心を高めるには、先ず、自分たちの山の作業に、参加して行く努力が必要であります。一昨年皆伐しました熊野奥の畑地先に、1haあまり、作業員のともに理事4名が、ヒノキ苗4千本の植樹をいたしました。その隣接地に昨年伐採しました1haの山林に、今後は、先ず、総代さんに4000本のヒノキ苗の記念植樹を計画いたしております。

植樹した木は、必ず大きくなります。今後は、下草刈、枝打ちなどの育林作業が必要ですが、これは組合員の仕事であり、組合の持続させるための勤めであります。この地を「協働の森記念植樹」の表柱を設置しておりますが、眼下には、蔵王ダムが望まれ、背後には水無山を仰ぐ組合きっての絶景の場所であります。記念の地には最も相応しい、組合いきっての景勝地でもあり、是非皆さんに足を運んで欲しい、生産森林組合として誇れる森林を育てる最高の大地であります。

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役員や総代さん等が、率先して山に入って積極的に作業をしなくては、この組合は育ちません。山に足を入れて初めて愛着がわき、山を知ることになるかと思いますが、ある総代さんが言われました。役員は本当に山を知っているのか。こんな運営でいいのかと。その手始めが、やはり植樹からではないでしょうか。その実践の年が、第16期の役員、第10期の総代の主要な任務で、持続する生産森林組合の新たな出発点と存じます。

 開会に当り、以上3点を申しましたが、今年度から滋賀県では森林税が賦課されますが、この財源の一部は、協働の森づくりの財源となり、川下の方々の森林ボランテア計画がされておりますが、川上の我々組合員が、従来以上に山への取り組みが大事になって参ります。

 第2点で申しました従来の立木販売から、択伐を主軸に大径木の育林の取り組みながら、環境森林を維持していくこと。第3点目の、役員、総代が植林従事作業に率先して参加し、広く組合員の理解と参加を求めること等、これらが「協働の森づくり」の原点ではないでしょうか。

 以上本日の通常総代会の開会に当り、総代の皆様の建設的なご審議を賜りますことをお願い申し上げ、開会の御挨拶と致します。

<組合長退任挨拶>


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