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1.日野小学校林のねらいと変遷
  
(1)教育的立場

 日野小学校の学校林は今年度で実に95年の歴史をきざむことになる。
 学校林創設時の目的に「児童の愛樹思想を養成することと学校基本財産造成」があげられているが、その他に子どもたちの生産、労作教育等の精神育成にもそのねらいはあった。

 昨今は労作教育が陰をひそめ、額に汗して働くという心が失われつつある。情報化、高齢化、水環境の悪化、オゾン層破壊、地球温暖化など、環境の破壊も進み、激しく移り変わる社会の中で子どもたちは、これらの歪みをまともに受け教育の課題は大きく困難を極めている。
 このような時期に先人が、営々と努力し残してきた学校林を卒業記念植樹と、PTAの奉仕作業で守り育てていることは、古くて新しい重要な意味も持っている。
 学林創設当時の「一朝有事のときにこれを役立てまた、子どもたちの緑を愛し勤労を尊ぶという教育」から、その時々の時代背景・事情によって、目的や管理育成の方法も変遷しつつある。
 平成5年に「心に緑を育む学校林として、自然体験を重視した長期的構想が出された。学校林の育成管理と学校教育の見直しを目的として提起された「心に緑を育む学校林」は、一つにはまもなく桧の卒業記念植樹で全山が覆われること、一つには、平成4年度から実施された学習指導要領の趣旨として「環境教育の重視」や「生活科」の導入、などが背景にある。
 その後「日野川ダムの周辺道路にともなう土地売却」から、日野川ダムの周辺環境整備とともに、平成14年の教育課程の改定による学校の教育内容や方法も見直しをする時期にきている。

 
 
(2) 指導的立場での活用の見通しについて
 
 卒業記念植樹のほかにこれまでも、緑化運動のポスターづくり、理科学習で森林のようす、自然林、日なたとひかげの育ち方、山の上と麓の違い、下草のようす、枝の茂りぐあいなどの実地学習に役立ててきた。2〜3年前からはダム周辺道路の整備に伴い、学校林の隣にあずま屋とトイレなどを設置してもらい、野外学習やキャンプなどに活用できるようになった。また、植林にもこれまでのように「ひのき」や「すぎ」だけでなく、かえで、メタセコイア、かしなど広葉樹を交えた複層林の部分も作りさまざまな野外体験学習にも活用できるような方向をめざし昨年度より植樹を始めている。
 
 @ 学林を自然散策できる周遊道路の整備をしていくことで、自然観察などの教育活動に
   生かしていく。 
 A 野外活動ができるように、活動拠点、広場などを作る。
 B 桧だけでなく、実のなる木やいろいろな種類の木を植え「自然観察の森」の整備を
   進めていく。
 C 学林の解説案内板やウォークラリー順路立て札をつくり、学林に親しみをもてるように
   する。
 D その他 学校教育にかかわるものとして
 
  ・学校周辺に桧のベンチを設置する。
  ・桧を使った遊具をつくる。
  ・水中の小生物が飼育できる池を作る。(メダカの池)
  ・校舎近くに遊べる砂場をつくる。
  ・小鳥が飼育できる小屋をつくる。
 
 などを計画、そのほとんどが完成し活用の時期に入っている。
 

 

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