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                   K 竜王読書会
 
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     心に太陽を♪唇に歌を♪
 
  
しんちゃんの近詠短歌二首(トップペーじより移転)
 
   その−73     
桜咲き 野山の芽吹く ころとなり 何求めむか 心昂ぶる 
 
  その−74
万葉の 歴史偲ばる この丘に 咲く花々を 愛しく思ふ     
 
※ 妹背の里の、桜祭りに出した二首です。
 
 
月刊誌 『滋賀アララギ』より
   
  
2005/1/1

竜王会員の短歌集

 
滋賀アララギ会に投稿され、毎月発行の会報に掲載された短歌です。
 
 
  プレミアム2000年記念に、竜王ドラゴンハットに植樹した桜です。 大分大きくなりました。
アグリパーク竜王西の国道477号線交差点のコスモス


3月号より
 
息長集
 
田中 勝見美知子
 
屋根の形を烏帽子につくる道の駅子に連れられて正面より見る  
 
市町村合併を頑なに見合わせて成りし道の駅に人の賑はふ
 
ゲートボールに長くつづきし町長杯を合併後案じると挨拶に聞く
 
人ら寄り話すことばの聞き難く補聴器の案内に心の動く
 
道芝集
 
田中 勝見 栄
 
平僧の得度受けしより二十年高僧の友多く増えたり
 
どの家も鳥籠つりて小鳥飼ひ春のさえづり待ちし昔か
 
田中 勝見しげ
 
厄年を迎ふる孫に鏡餅を嫁と搗きたり宮に供ふと
 
十人の姪持つ我はうれしもよ時たま出逢ふに皆慕ひてくれぬ
 
川上 甲津俊子
 
待ち合はせサッカーに急ぐ少年のヘルメットの上に朝日輝く
 
代わる代わる璃人ちゃん抱きゆくクリスマス会一ヶ月の命尊く
 
岡屋 徳井新造
 
自動ドア閉まらぬように娘は立ちて我の歩行を確かめて去る
 
ジングルベルの曲に合わせて杖をつく今購ひし靴軽やかに
 
幾つかの模型を並べ青年は地雷撤去の苦労を語る
 
地雷撤去し学校を建てる生甲斐を書きし青年の本を購ふ
 
七里 藤本照子
 
柚子匂ふ冬至の湯船に浸りゐて過ぎし一年を還(かへり)みにけり
 
ボランティア活動に生き甲斐見つけしと張りある娘(こ)の声受話器にひびく
 
一人住む寂しさを言ふ友に頷きて家族のあるをしみじみ思ふ
 
2月号より
 
息長集
 
田中 勝見美知子
 
一つづつ畚にのせて石運び石碑を建てて三十五年か
 
懇ろに石碑の文字を彫りくれし石工の汝も今は世に亡し
 
御嶽神社に鳴らす鈴の音の一瞬にして山に消えゆく
 
しめ縄の張られし太きあすなろに何を祈らむ手を合わせをり
 
道芝集
 
田中 勝見 栄
 
出征の朝行って来ると言ひし我を見つめし父母の顔思ひ出づ
 
切られたらこれで縛れと母親の出しし手拭と涙の顔を忘れず
 
田中 勝見しげ
 
夜なべなどすることもなきに久々に嫁と柿むきて夜をふかしたり
 
報恩講に三人の孫も加わりて正信偈を唱へくるるは嬉し
 
川上 甲津俊子
 
四十日の璃人(りと)ちゃんも交じへしクリスマス雪降る今日に楽しく終わりぬ
 
幼き日歌ひし牛若丸の歌なれば紙芝居の中で我は歌ひぬ
 
岡屋 徳井新造
 
自動ドアの閉まらぬように子は立ちゐて我の歩行を確かめ去りぬ
 
もっと夢を持ち続けよと麻痺の手を握りて君は励ましくれぬ
 
杖を手に階段を手摺りもち降りる我に優しき声は茶髪の少女
 
七里 藤本照子
 
長く咲きしサルビアの花も赤茶けて木枯らしにゆれ秋も終わりぬ
 
寒さに弱しと庭に入れたるカニサボテン淡きピンクの花開きたり
 
月々に届きし滋賀アララギの十二冊綴りて更に繰り返し読む
 
年老いて世情にうとき我なるも若きらの輪に入り話をききぬ
 
朝の道に通勤の車の続きたり落ち葉掃く手のいたく冷たし
 
とも角も休まず送稿せしことを喜びとして今年も暮れゆく
 
滋賀アララギ
     平成16年1月号より
 
息長集
 
田中 勝見美知子
 
剣を抜き槍を持ちたる武将あまた造られし山を人に随きゆく
 
関ヶ原の家康の陣に首を据ふる実検ばありて足の竦みぬ
 
スライドで戦いの様説きし後に村人の犠牲も忘れぬなと言ふ
 
   (悼田中様)
文化祭に二首を掲げて田中さんのこれが最後と寂しくなりぬ
 
道芝集
 
田中 勝見 栄
 
三層の窓より入る涼風に汗の引きつつジャングルを見る
 
影もとめ崩れし石に腰かけて汗をぬぐふは皆日本人
 
田中 勝見しげ
 
文化祭孫の二人は書道展夫は絵我は歌嫁は写真出す
 
趣味とはいへ一人で他国へ幾度と旅立つ夫を送るも心もとなし
 
川上 甲津俊子
 
一粒づつ真紅に色づきし枇杷採りつつ九十七まで生きし舅偲ぶ
 
サルビアの群れ咲く小径歩み行けばパンジー植うる人ら見えたり
 
七里 澤井米子
 
マニフェストと言ふ横文字の飛び交ひて解らぬままに選挙終りぬ
 
痛ましき老いなど思ひみざりしに杖に縋れるわが身疎まし
 
独り居も楽しいものよと強がりを言ひて友と別れ来ぬ夕の町に
 
  (悼田中様)
数々の功を残して身罷りし白衣の君は美しかりき
 
岡屋 徳井新造
 
未だもっと夢あったねと麻痺の手を握りて君は励ましくれる
 
片手もて泡だて器にて米を研ぎ妻と夕餉の飯を炊きおり
 
血液の検査結果の異常なし焼き芋頬ばりながら帰りぬ
 
信濃 中江よね
 
朝の日に庭の花々輝きて蕾ふふめる菊に水やる
 
  (悼田中様)
百姓の歌が好きよと言ふ君に励まされしことも思い出となる
 
七里 藤本照子
 
  (田中初枝様追悼二首)
ひたすらに歌詠みし友の訃報を聞きて儚き命沁みて思ひぬ
 
月々のアララギに友の歌載るを見て病床にあるとはつゆ知らざりき
 
逝く秋に声細りいく鈴虫の命悲しみ庭に放てり
 
活きのよき秋刀魚買ひきて子は庭に炭火おこして焼きてくれたり
 
誰に見て貰ふでもなく活けし花我が意に叶ひ心和みぬ
 
滋賀アララギ12月号より
 
息長集
 
田中 勝見美知子
 
幾年もしくじりて来し梅花うつぎの根付く気配か小さき芽の見ゆ
 
雨上がり野川の合流する所に音とどろきて歩み止めたり
 
歩み来し真向かひの山の峡より霧立ち上り暑き日となる
 
枝を張る櫟の下にをだまきの自生して数多花の鮮やか
 
道芝集
 
田中 勝見 栄
 
葉刈り終へ松の木降りて暫くを息ととのふる老いの庭師か
 
楽しみて作りし庭も年古りて葉刈りに手間取る我も老いたり
 
田中 勝見しげ
 
コシヒカリの花の最中台風の吹き荒れて籾はきたなし量の少なし
 
勝ち負けにはこだわらずゲートボールする今日は竜王より水口に来て
 
川上 甲津俊子
 
思草をカンナの下に見つけたりススキに添えて師の下されし
 
思草をナンバンギセルと聞きし日を思ひ出しつつ手に取りて見る
 
ボランティアに精出しし人の入院を聞きたり心の痛む思いす
 
岡屋 徳井新造
 
マニフェストと舌を噛むような見出し記事あり解散選挙に何求むるや
 
シャワーでは物足りなくてゆったりと湯船で癒す彼岸となりて
 
七里 藤本照子
 
降らぬ雨諦め畑に水をまき大根の種丁寧におろす
 
諍ふより耐へゆくことをよしとせむ仏の夫に線香を上ぐ
 
草をぬくただそれだけの単純に老いたる我は憂さを忘るる 
 
 
滋賀アララギ11月号より
 
息長集
 
田中 勝見美知子
 
日曜学校に通ひし本堂そのままに傍に生ふる百日紅直に懐かし
 
圃場整備成りし故郷の田の果てに昔のままの地蔵堂見ゆ
 
手作業で稲刈りし頃の農思ひコンバインの動くわが田眺むる
 
安き麦安き米よと託ちつつ農守る人らの姿頼もし
 
 
道芝集
 
田中 勝見 栄
 
ピカドンと言ひし原爆福岡に聞きしも遠し五十余年前
 
孫二人に石の間の小石集めさせ水洗ひして盆に備へぬ
 
葉刈り終へし松の木下に汗ぬぐひ首筋を這ふ毛虫を落とす
 
 
田中 勝見しげ
 
週三回のディーサービスを喜びて行く耳遠き姉と物忘れの姉
 
悪天候で野菜の値上がりのニュース聞きてわが農を嫁は喜びくれる
 
わしの使う挟みは知らぬかどうしたと西瓜の畝に忘れて夫も老いたり
 
川上 甲津俊子
 
屋久島の巨木を倒し年貢とせし江戸時代のことも聞きたり
 
年輪に古を偲び屋久島と共に生きたる人々を思ふ
 
種子島に墓参りに来たと言ふ人と船待ちの暫しを話し合ひたり
 
七里 澤井米子
 
久々に見し夫の夢に懇ろに経をよむかな盆の十五日
 
ありなしの風にかすかに稲の穂の揺れて八月の暑さ戻りぬ
 
西山 田中初枝
 
パソコンのホームページにわが歌をしるすと君より知らせ受けたり
 
やまなみの短歌会に入りて三十年か過ぎし日のことをさまざまに思ふ
 
岡屋 徳井新造
 
六年目に一輪咲いたのメール受け丹精の花に再訪を約す
 
残暑が続き「稔りが一寸はましかいなあ」農夫は話す汗をふきつつ
 
信濃 中江よね
 
汗流し草取りゆくに稲を凌ぐ稗の穂先に揚羽の揺れおり
 
七里 藤本照子
 
干す梅の匂いを運び来る風やさし畑より帰りて憩ふ窓辺に
 
長梅雨に茄子も胡瓜も木のいたみ夏の野菜の実り乏しき
 
煮ふくめたる蒟蒻うましと下宿より帰りし孫は喜びくれぬ
 
 
滋賀アララギ10月号より
 
息長集
 
田中 勝見美知子
 
アパートに 移りゆく孫の 荷の中に 溜めし玩具の ありていとほし
 
国史学に もはらなりし わが青年バイクも車も 振り向かざりき
 
気にかけし 歌評書き終へて 日の沈む 山眺めつつ 広き野にをり
 
今日は北 今日は南向きと 煙見て 廃油処理の 煙突親し
 
道芝集
 
田中 勝見 栄
 
多芸また 多趣味に生きて 本山の 仏光寺の 庭の設計をする
 
一生を 振りさけ見れば 何ひとつ 無駄なことなく 老後を喜ぶ
 
言はずとも 心の解る 嫁となり 我が家に来り 十余年経ぬ
 
田中 勝見しげ
 
生活改善を かたく守れといふ 若きらに 法事の供養も 流れにしたがふ  
 
日光膳で 平坪猪口と黒椀の 法事も変はり 幕の内弁当とは 少しむなしき
 
好きな物を 腹いっぱいに 飲食し 帰りはボーリングを 楽しむ孫子を見る
 
川上 甲津俊子
 
息吸ひて 胸をそらせば 残りの月 見えて子等との ラジオ体操
 
一球一球に 心を込めて 投ぐる投手に 声援送りて 夏の過ぎゆく
 
朝夕に 七つ八つと 咲く朝顔に 元気づけられて 夏を乗り切る
 
岡屋 徳井新造
 
梅雨晴れの 日差し厳しく 老木の 桜の木陰に 車並びゐぬ
 
消防の ポンプの音が 聞こえ来ぬ 区民総出の 訓練にして
 
梅雨明けに 鳶職人が 手渡しで 三階建ての 足場組みをり
 
やうやくに 梅雨が明けたと 聞くけれど 今朝の新聞は 何も書かんぞ
 
七里 藤本照子
 
梅雨晴れの 日差しに咲きし 白百合の 花粉こぼしつつ 蜂のこもれり
 
この年は 鳥も知らぬか 茱萸の実の 熟れたるをわれ 久々に食む
 
流れ行く 雲より出でし 入り日の 屋根に明るし 梅雨も終るか
 
過ぎし日に わが使ひたる 裁縫机の 庭に置かれし 花の台となりぬ
 
滋賀アララギ9月号より
 
息長集
 
田中 勝見美知子
 
去年植えし 桜の蕾 膨らみて 生きる力の 頼もしさ知る
 
健やかに 今日あることを 喜びて 木下に長く 友と語りぬ
 
三時間にて 東京へ行ける 便利さを 夫ゐる頃は 思ひ見ざりき
 
孫の行く 大学の食堂に食む どんぶりの 大盛りを見て 何故か安らぐ
 
道芝集
 
田中 勝見 栄
 
一生の 思ひ出多き 本山に 祖師の日の今日 参り終へたり
 
父に連れられ 参りしより 七十年 過ぎしは遠き 思ひ出となる
 
われは写生会 妻はゲートボールか 老い二人 好きな事して 極楽の世か
 
田中 勝見しげ
 
八十余の 我が気にすることは なけれども 天候に併せ生き来し 農は今なほ
 
夕暮れに 孫の自転車 三台が 揃へばああやれやれと 一人わが言ふ
 
昔よりの 伝統つづけし 虫送りに 我が作りし松明を せがれの担ぐ
 
川上 甲津俊子
 
野の花の ひとつひとつを 押しゆきて 押し花絵額の 展示会に揃ふ
 
心配無しと 胃カメラ飲み終へし 我に向かひ 医師と看護師の まなこ優しき
 
願ひ若し 叶ふなら信長と 秀吉家康と 話がしたしと 孫の言ふなり
 
七里 澤井米子
 
病むわれに 赤きトマトを 持ちくれし 友も己が身の 不調を言ひぬ
 
「お迎へ」をと 口癖のごと 言ふ媼 けふは検診車に 並ぶを見たり
 
言ひたきこと 胸にしまひて 今日一日 楽しかったと 日記に書きぬ
 
西山 田中初枝
 
看護婦の 試験を終へて 寺町を 父と歩みし 日を思ひ出づ
 
岡屋 徳井新造
 
病院を 出でて木陰に 車停め 午後の予定に 弁当の寿司
 
イラク戦 終結なりて ガソリンの 値引き競争 見つつ走りぬ
 
雨あがりの 道を杖つき 出でて来ぬ 早苗田の蝶や燕に しばし和みて
 
信濃 中江よね
 
ゲルハルトボッセの 指揮する楽団に わが少女の トロンボーンを探す
 
七里 藤本照子
 
降り続く 雨を言ひつつ 回覧板 手渡しくるる 友の明るさ
 
長雨に 南瓜もトマトも 実のつかず 晴れて蜜蜂の 来るを待ちゐる
 
茄子胡瓜に 病葉見ゆるも 日毎降る 雨に術なく ただに見てをり
 
 
 
滋賀アララギ8月号より
 
息長集
 
田中 勝見美知子
 
たはやすく 滋賀に来給ひし 宮路先生 お疲れ無きかと 横顔を見る
 
六十人の 歌評いとはず 先生の声澄みてをり うれしくなりぬ
 
土地改良 成りて水利も 楽となり朝夕見廻りし 畦なつかしむ
 
栗の木の 伐りても伐りても ひこばえの 根元に生ふる 強き力よ
 
道芝集(あいうえお順)
 
田中 勝見 栄
 
寫生会に 休暇村に来て 沖ノ島を 波の音聞き 書くも楽しく
 
何たる事 北朝鮮の 核部品 我が国の物を 使ふと言ふなり
 
敬はるる 事などなきに 敬老会 今年も行きて 半日楽し
 
田中 勝見しげ
 
百姓の せがれに嫁ぎ 来てくれて 二十年経ぬ 田畑を中心の 農婦となりぬ
 
一足の 田植えぐつ嫁と 交互にはきて 補植も今は 大まかにせり
 
川上 甲津俊子
 
初めて 作りし蚕豆 数多茹づ 帰り来る孫子等の 夕餉のために
 
買物して 梅雨の晴れ間を ペダル踏めば 黄色い蝶の 切り花に止まる
 
孫子等の 出でたる後に 草引きて嫁の整い呉れし 朝餉楽しむ
 
岡屋 徳井新造
 
握っている 麻痺の手を見て 通学児 何握るかと 尋ね寄り来る
 
入院の 長かりしかな 庭の松 落つるしづくを なつかしく見る
 
早苗田の 水に風そよぐ あぜ道にランドセルの子ら たはむれて行く
 
七里 藤本照子
 
畑すみに 抜きて捨ておきし 大根の そのまま在りて 白き花咲く
 
まといゐし 冬物ひと日に 乾きゆきて 晴れし日の今日 心は安し
 
物事に やる気をなくししは 年のせいか 何をするにも 思案が長くて
 
母が手に 織りくれし 木綿縞 形見と思ひ 今も残せリ
 
滋賀アララギ7月号より
 
息長集
 
田中  勝見美知子
 
カンボジアの 仏教遺跡を 巡りし去年 飛行機も 空港も 穏やかなりき
 
パゴダ巡る 我らは遠くより 靴脱ぎて 伏して拝みゐる 人の間を行く
 
ベトナムの スチュワーデスは 滑らかな 口調で飲物を 丁寧に問ふ
 
古き歌誌を 処分すると言ふ 友ありて 我は勇気なく 押入れに積む
 
道芝集 (あいうえお順)
 
田中  勝見 栄
 
ビニールを 通して苗が 青さ増す 今年も兄は 苗作り成功す
 
暖かき 日和続けば 油虫の 桃の葉を巻き 風に散り落つ
 
田中  勝見しげ
 
九十三歳に なる姉も子に 送られて 里の祭りを たのしみに来ぬ
 
トラクターの 代掻きの音 聞きながら 若き日を思い 微睡みてをり
 
親達が 田植する傍(そば)の 用水路に 孫の二人は 苗箱洗ふ
 
七里  澤井米子
 
一ヶ月を 使えぬ右手に 苛立ちて泣きたくなる日の 幾度かあり
 
包帯の 取れし右手の 指広げ 一本一本を 愛(いとほ)しみ見る
 
枝打ちし 庭の大木 さむざむと 鳥も来なくて 風渡るのみ
 
川上  甲津俊子
 
「雷の 落ちない村」を 読み聞かせ 児等と共に 三橋節子氏偲ぶ
 
原画見たしと 尋ねし長等の 美術館に 二人の子に 遺しし絵を見る
 
スギナ ゲンノショウコの 伸びる中に 赤き苺を 数多見つけぬ
 
西山  田中初枝
 
満開に 咲ける妹背の 桜見つつ 子と手作りの 寿司を食みおり
 
誘われし 妹背の里に 外国人に逢ひてカメラに 共に入りたり
 
岡屋  徳井新造
 
手も足も 左麻痺すが 今日からは 新たな挑戦と 己励ます
 
二重苦も 三重苦もある 老いし人 夫人と共に リハビリに励む
 
朝まだき 空に群れなして 行く鳥を われは病棟の 窓に見てをり
 
信濃  中江よね
 
相寄りて 桜咲く道を 歩みつつ 見上ぐる頬に 花の散りくる
 
七里  藤本照子
 
やはらかき 春の日のさす 窓の辺に けさ一筋の 蜘蛛の糸垂る
 
どうしてるかと 尋ねてくれる 孫の声 飾らぬ言葉の 胸に沁みくる
 
米の飯 食はぬ若者 増えきたり 飯は日に一回だけと 言ふ人のあり
 
 
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ミドルエイジの掲示板などで、短歌の書込み。ネット短歌コンクールの入賞作品が見られます。
 
 
 
 
 
 



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